障害年金は保険料未納があっても受給できる?納付要件をわかりやすく解説

障害年金の相談で最初に確認する重要事項の一つが「保険料納付要件」です。

実際に障害によって生活に支障が出ていても、保険料納付要件を満たしていなければ、障害年金を受給できない場合があります。

一方で、「昔、年金保険料を払っていなかったから障害年金は無理だろう」と思い込んでいる方が、実際には受給できるケースもあります。

この記事では、障害年金の保険料納付要件について、できるだけわかりやすく解説します。

目次

障害年金には保険料納付要件がある

年金は保険制度です。

民間の生命保険や損害保険と同じように、保険料を納付していることを前提として、一定の要件を満たした場合に給付を受ける仕組みになっています。

障害年金の場合、保険料を納めているかどうかを判断する基準となるのが「初診日」です。

障害年金には「障害認定日」という重要な基準日もありますが、保険料納付要件を判断する基準となるのは初診日です。

「初診日」についてはこちらの記事を参照してください。

原則の納付要件(3分の2要件)

まずは原則となる納付要件です。

初診日の前日において、保険料を納める必要があった期間(被保険者期間)のうち、次の期間を合算した割合が3分の2以上あることが必要です。

  • 保険料納付済期間
  • 保険料免除期間

例えば、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間が120か月であった場合、

納付済期間と免除期間の合計が 80か月以上

であれば、納付要件を満たすことになります。

特例の納付要件(直近1年要件)

もう一つ、特例として「直近1年要件」があります。

初診日が令和8年(2026年)4月1日以降も、令和18年(2036年)3月31日までにある場合、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、納付要件を満たすことができます。

ただし、この特例は初診日時点で65歳未満の方が対象です。

過去に未納期間があったとしても、直近1年間に未納がなければ障害年金を受給できる可能性があります。

保険料免除期間も納付要件に含まれる

納付要件の判定に含まれるのは、実際に保険料を支払った期間だけではありません。

次のような期間も、きちんと手続きをしていれば、納付要件の算定対象に含まれます。

  • 全額免除
  • 一部免除
  • 学生納付特例
  • 納付猶予

※ ただし、一部免除については、免除後に納付することとされている保険料を納付していることが必要です。納付していない場合は未納期間として扱われます。 

例えば、学生であっても20歳になると国民年金への加入義務が生じます。日本年金機構からの案内に従って学生納付特例の手続きをしていれば、その期間は納付要件の算定対象に含まれます。

そのため、21歳のときに障害の原因となる事故や病気が発生した場合でも、障害年金を受給できる可能性があります。

一方、案内を放置して何の手続きもしなかった場合は「未納」扱いとなり、障害年金を受給できなくなることがあります。

「免除」と「未納」は、どちらも保険料を実際には支払っていないという点では似ていますが、障害年金の受給資格においては大きな違いがあります。

20歳前に初診日がある場合は別の取り扱い

なお、20歳前に初診日がある傷病については、原則として保険料納付要件は問われません。

発達障害・知的障害・先天性疾患などがこれにあたる場合があります。

20歳前障害(20歳前傷病による障害基礎年金)については、別の記事で詳しく解説する予定です。

納付要件は自分で判断しないほうがよい

障害年金の制度は非常に複雑です。

保険料納付要件だけでなく、初診日の認定や障害の状態など、さまざまな要件を総合的に確認する必要があります。また、納付要件を正確に判断するためには、年金記録の確認が欠かせません。

「未納があるから無理だと思っていた」「自分は対象外だと思っていた」という方が、実際には受給できたケースもあります。

障害年金を受給できれば、経済的な不安が軽減され、治療や生活により専念できる可能性があります。

ご自身で判断して諦める前に、一度、社会保険労務士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

まとめ

  • 障害年金には保険料納付要件がある
  • 原則は3分の2要件
  • 特例として直近1年要件がある
  • 免除期間は納付要件に含まれる
  • 未納と免除は大きく異なる
  • 自分で判断せず、専門家に相談することが大切
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