私は自治体職員時代、障害福祉サービス事業所の指導監査に携わっていました。
「監査」と聞くだけで、気が重くなる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、不正事案への対応を目的とした監査は別として、通常の指導監査では、不備を探して指摘するというよりも、事業所のより良い運営を支援するという意識で臨んでいました。
指導監査と聞くと身構えてしまうもの
「今度、行政の監査がある」
そう聞くと、何か指摘されるのではないか、報酬返還になるのではないか、書類の準備が大変だ、と不安になることもあるでしょう。
もちろん、運営上の問題があれば指摘を受けることはあります。しかし、私の経験では、適正に運営されている事業所がほとんどでした。
多くの場合、指導監査は事業所を処分するためのものではなく、適正な運営を支援するために行われています。
自主点検表を活用して、運営状況を確認する
指導監査の前には、多くの自治体で自主点検表の提出が求められます。
自主点検表には、人員基準・設備基準・運営基準など、事業所が守るべき事項がサービス種別ごとに整理されており、根拠となる法令も示されています。
この自主点検表を活用することで、「現在の運営は基準に沿っているだろうか」「見落としている点はないだろうか」と、自らの運営状況を客観的に確認することができます。
良い事業所ほど、指導監査を前向きに活用している
私が実際に見てきた事業所の中で、運営が安定している事業所には共通点がありました。
それは、指導監査を「評価される場」ではなく、「見直しの機会」として捉えていたことです。
自主点検の結果、改善が必要な事項が見つかれば修正する。疑問があれば行政に確認する。指導を受けた場合は改善し、その結果を報告する。
そのような姿勢を持つ事業所ほど、結果として適正な運営につながっていました。
注意事項があったとしても、改善すればよいのです。必要以上に恐れる必要はありません。
年に一度は、自主点検を
指導監査は毎年実施されるものではありません。しかし、自主点検表は毎年更新され、多くの自治体でホームページに掲載されています。
指導監査の有無にかかわらず、年に一度は自主点検表を活用して、運営状況を確認することをおすすめします。
その積み重ねが事業所への信頼につながり、提供するサービスの質の向上にもつながっていきます。
まとめ
指導監査は、決して歓迎したい行事ではないかもしれません。しかし、事業所運営を見直し、より良い支援につなげる機会として活用することで、大きな価値のあるものになります。
ぜひ、年に一度の自主点検を、運営見直しの習慣として取り入れてみてください。
